「一番最初にしたことは?」
「怪しげなものを確かめようと屈んだところに、あなたがやって来ました」
ブラウン神父は不意に顔を輝かせ、新たに会の用意はできないかとオリヴァー卿にたずねたときの声は陽気と言ってよかった。この申し出に卿は大喜びし、ローマン・カトリックの坊さんは恐ろしく感情的なくせに、ときには常識の光を持っているわいと御みずから認めたのであった。翌日は一日じゅう諸事万端で忙しくなるし、夜を待たねばならないだろうとフランボウが指摘した。その通りであった……。
フランボウは休むことなく頭の中で問題を反芻し、夕食後にブラウン神父を見つけたときにはひそかに喜んだものである。神父はひとり公園で黒い小型本を読んでいた。
「この事件は無茶苦茶だ」フランボウは近づきながら声をかけた。
ブラウン神父は物思わしげに、雪解け水の流れる小径を見つめていた。まるでそこに考え事の原因があるようなそぶりで、返事はゆっくりと途切れがちだった。
「いっそう……無茶苦茶です……前もって結果はわからないのですから」
「何の結果です?」