翻訳連載ブログ
 「ロングマール翻訳書房」より、翻訳連載blog

『アンジュ・ピトゥ』 11-2

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「ところで――」カービン銃をじっくり調べたビヨは、それが立派なものであることに気づいていた。「この銃は誰のだ?」

「ご主人様のものです」先程来後ろから聞こえていた声が応えた。「ですが随分とお役に立っているようでしたので、取り返すのは忍びないとお考えになったようです」

 ビヨが振り返ると、ドルレアン公のお仕着せを着た馬丁がいた。

「それで、ご主人様は何処だ?」

 馬丁は半開きの鎧戸に顔を向けた。つい先ほどまでその陰からドルレアン公がすべてを見ていたのだ。

「つまり俺たちと一緒だったのか?」

「心身共に民衆と一緒です」

「ではもう一度叫ぼう。ドルレアン公万歳! 同胞達ともよ、ドルレアン公は俺たちの味方だ。ドルレアン公万歳!」

 ビヨはドルレアン公が佇んでいたという鎧戸を指さした。

 すると突然鎧戸が開いてドルレアン公が姿を見せ、三度挨拶を送った。

 すぐに鎧戸は閉められた。

 姿を見せたのは一瞬ではあったが、熱狂を引き起こすには充分だった。

「ドルレアン公万歳!」幾千の声がこだまする。

「武器屋に押し入ろう」人混みの中から声がした。

「廃兵院に向かうぞ!」古参兵たちが怒鳴った。「ソンブレイユ(Sombreuil)のところになら銃が何挺もあるはずだ」

「廃兵院だ!」

「市庁舎を目指せ!」幾多の声が唱和する。「市長のフレッセルが武器庫の鍵を持っている。渡してもらおう」

「市庁舎へ!」

 三つの人垣は三様に散らばって行った。

 その間に騎兵聯隊はブザンヴァル男爵とランベスク公を中心にルイ十五世広場に集結していた。

 ビヨとピトゥはそれに気づかずに、三つの流れのどれにもついてゆかなかったので、いつの間にかパレ=ロワイヤル広場に二人きりになっていた。

「ビヨさん、ボクらはどうすればいいでしょうか?」

「知れたこと。勇敢な奴らについて行くまでよ。武器屋はナシだ、もう立派な銃が一挺あるからな。市庁舎か廃兵院だろう。だがな、パリに来たのは戦うためじゃなく、ジルベールさんの居所を探すためだ。ルイ=ル=グラン学校コレージュに行くべきだろうな、息子さんがいるはずだ。先生に会った後でなら、幾らでもこの騒ぎに参加してやろうじゃないか」

 ビヨの目がきらりと光った。

「ルイ=ル=グラン学校に行くのはもっともなことだと思われます」と、ピトゥがもったいぶった口を利いた。「そのためにパリに来たんですから」

「だったら銃でも剣でも何でもいい、そこに寝ている奴らの武器をいただきな」ビヨは地面に横たわっている五、六人の騎兵隊員を指さし言った。「そうしたらルイ=ル=グラン学校に行くぞ」

「でも……」ピトゥは躊躇った。「この武器はボクのものじゃありません」

「じゃあ誰のものだと言うんだ?」

「国王のものです」

「民衆のものさ」

 ビヨは麦粒一つたりと雖も人様に迷惑をかけるのを嫌うような男だ。そんな男の言葉に力を得て、ピトゥは一番近くにいた騎兵隊に慎重に近づき、死んでいることをはっきりと確かめてから剣と小銃ムスクトンと弾薬入れを取った。

 ヘルメットも欲しかったが、ビヨの言う武器というのが防具まで含まれるのかどうか確信が持てなかった。

 だが武器を身につけている間も、ヴァンドーム広場に聞き耳を立てておくのを忘れてはいなかった。

「もしかしたらドイツ人騎兵聯隊が戻って来たのかもしれません」

 なるほど騎馬の足音が近づいて来るのが聞こえる。ピトゥがカフェ・ド・ラ・レジャンスの角から顔を出すと、サン=トノレ市場の上に、小銃を低く構えて進む斥候の姿が見えた。

「急いで下さい! 戻って来ました」

 何とかならないものかとビヨは周囲に目を走らせたが、広場には誰もいない。

「ルイ=ル=グラン学校に行こう」

 ビヨがシャルトル街に進路を取ると、ピトゥも後からついて来た。ところがベルトに付いている小銃吊りのことを知らなかったものだから、ピトゥは長い剣をずるずると引きずっている。

「何やってるんだ。屑屋じゃあるまいし。その棒きれを引っかけとけよ」

「何処にです?」

「ほら、こうだ」

 剣を腰に差してもらい格段に歩きやすくなったので、ピトゥもすたすたと進むことが出来た。

 二人は苦もなくルイ十五世広場まで来たが、そこでまた行列にぶつかった。廃兵院に向かった連中が難渋していたのだ。

「どうしたんだ?」ビヨが問うた。

「ルイ十五世橋を渡れないのさ」

「河岸は?」

「そっちもだ」

「シャン=ゼリゼーを抜ける道は?」

「駄目なんだ」

「なら引き返してチュイルリー橋を渡ろう」

 当然の話だった。人々はビヨに同意し、ビヨに従った。だがチュイルリー公園前の道では剣がその刃を光らせていた。河岸は騎兵隊に塞がれていた。

「糞ッ! また騎兵隊か。何処にでもいやがる」ビヨが吐き捨てた。

「ビヨさん、ボクらは捕まっちゃうんですね」

「五千人以上の人間が捕まえられるもんか。俺たちはそのくらいにはなるはずだ」

 騎兵隊がゆっくりと前に進んでいた。少しずつではあるが、確かに前に進んでいる。

「まだロワイヤル街がある。そっちから行こう」

 ピトゥは影のようにビヨにくっついた。

 だがサン=トノレ門(Porte-Saint-Honoré)の道も兵士の列で埋まっていた。

「おまえさんが正しかったのかもしらんな、ピトゥ」

 ピトゥは「はあ」とだけ答えた。

 だがその一言だけで充分だった。そこには悪い予感が当たったことに対する悔しさが込められていた。

 人波からどよめきが聞こえて来る。自分たちの置かれた状況に対し、ピトゥに劣らず動揺しているのだ。

 ランベスク公の働きにより五百人以上の野次馬や謀叛人が取り囲まれ、ルイ十五世橋、河岸、シャン=ゼリゼー、ロワイヤル街、フイヤン修道院の鉄門に閉じ込められてしまった。チュイルリー公園の塀に張られたの如く越えるのは難しく、ポン=トゥルナンの柵の如く打ち破るのもしがたかった。

 ビヨは状況を推しはかった。良くはない。だがそこは幾多の危険をくぐり抜けて来た男のように冷静沈着たらんとして、周りに目を走らせると、川岸に瓦礫が積んであるのが見えた。

「考えがある。来てくれ」

 どんな考えなのかたずねもせずに、ピトゥはビヨについて行った。

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『アンジュ・ピトゥ』 11-1

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

第十一章 七月十二日から十三日にかけての夜

 道には誰もいないように見えた。逃げる群衆を追う騎兵隊はサン=トノレ市場を戻り、ルイ=ル=グラン街とガイヨン(Gaillon)街に散らばっていた。だがパレ=ロワイヤルに近づくにつれ、無意識に怒声をあげ復讐の呟きを唱える人々が街角に姿を見せた。並木道の外れや、正門の陰から、声も立てず恐る恐る顔を出して周りを窺っていたが、騎兵隊がいないことを確かめると、葬列に加わり、小さな呟きからやがてはっきりとした声で、遂には大声で「復讐を! 復讐を!」と繰り返していた。

 ピトゥはサヴォワ人の帽子を手に、ビヨの後ろを歩いていた。

 やがて不吉な葬列はパレ=ロワイヤル広場にたどり着いた。怒りに駆られた民衆が問答の末、外国軍対策をフランス軍に頼んでいた。

「あの軍服は何だ?」部隊の前まで来ると、ビヨが問うた。その部隊は立て銃の姿勢でシャルトル街の城門からパレ=ロワイヤル広場を塞いでいた。

「フランス近衛聯隊だ!」

「よし!」ビヨは近づいてゆき、死体同然のサヴォワ人を兵士に見せた。「あんたたちはフランス人だろう? ドイツ人が俺たちを殺すのを放っておくのか?」

 近衛兵たちは思わず後じさった。

「死んでいる!」隊列から幾つかの声が洩れた。

「そうだ、死んでいる。殺されたんだ。こいつも、ほかの奴らも」

「誰がやったんだ?」

「ドイツ騎兵聯隊さ。悲鳴や銃声や蹄の音が聞こえなかったんですか?」

「そうだ、そうだ!」幾百の声がこだまする。「ヴァンドーム広場で殺されたんだぞ」

「あんたたちだってフランス人じゃないか!」ビヨが兵士に向かって叫んだ。「同胞を見殺しにするようならとんだ臆病者だ!」

「臆病者だと!」凄む声がする。

「ああ……臆病者だと言ったんだ。何度でも言ってやる」ビヨは声の聞こえた方に向かって足を踏み出し、「俺を殺さないのか? 臆病者じゃないと証明しないのか?」

「まあまあ……あんたは勇敢だよ。だけど一般人だからやりたいことをやれるのさ。だが一兵卒たる軍人は命令ありきなのだ」

「だから俺たちのような武器も持たない人間を殺せと命令されれば、殺すというのか! 第一撃が始まったと言ってイギリス軍に水をあけたフォントノワの後輩たちは何処に行ったんだ?」

「俺は撃たないぞ」一人が答えた。

「俺も撃たない」「俺もだ」幾つもの声があがる。

「だったら発砲する奴らを止めてくれ。ドイツ野郎に殺されるのを放っておくなんて、あんたたちがその手で殺すようなもんだぞ」

「騎兵隊だ! 騎兵隊だ!」広場から溢れてひしめいているのはリシュリュー街から逃げて来た者たちだ。

 まだ遠くとも、騎兵隊の足音が舗石を蹴って近づいて来るのが聞こえて来た。

「こっちも武器を取れ!」と、逃げて来た者たちが叫んでいる。

「畜生!」ビヨが抱えていたサヴォワ人を地面に放り出した。「使うつもりがないのなら、その銃を貸してくれ」

「使わんわけがないだろう!」相手の兵士はビヨの手から銃を奪い返した。「さあ、薬包を噛み切れ! オーストリア野郎が何か言って来たら、目にもの見せてやる」

「おう、見せてやろう」兵士たちが弾薬入れを外し、薬包を口に運んだ。

「糞ッ! 猟銃を持ってくればよかった」ビヨが地団駄を踏んだ。「死んだオーストリア野郎から銃を拝借するか」

「だったらこの薬包を持って行け。たっぷり詰まっている」

 見知らぬ男がびっちり詰まった薬包をビヨに手渡した。

 その瞬間、騎兵隊が広場になだれ込み、目の前の群衆を蹴散らし、斬りつけた。

 フランス近衛兵の将校が前に出た。

「騎兵隊の諸君! ひとまず休戦と行かぬか?」

 騎兵隊には聞こえなかったのか、聞く気がなかったのか、或いは制御できぬほどの激情に駆られていたのか、止まらずに広場で右に舵を切り、婦人と老人にぶつかって踏みつぶした。

「撃て! 撃て!」ビヨが叫んだ。

 ビヨがいたのは将校のそばだったので、それが将校の声のように聞こえた。近衛兵は銃を肩に構え、一斉射撃で騎兵隊の足を止めた。

「近衛兵の諸君!」ドイツ騎兵隊長が慌てふためく騎兵隊から一歩前に出て言った。「誰に発砲したのかわかっているのか?」

「わかっていたらどうする?」

 一言言ってビヨは騎兵隊長を撃ち倒した。

 すかさず近衛兵が第二撃を放つに至り、ドイツ兵も遂に悟った。今回の相手は剣の音を聞いて逃げ出した一般人ではなく、一歩も引かずに待ち受けていた兵士たちだ。騎兵隊がきびすを返してヴァンドーム広場に戻ると、勝鬨と喝采に驚いて馬たちが暴れ、鎧戸に頭をぶつけ始めた。

「フランス近衛兵万歳!」

「祖国の兵士万歳!」ビヨも倣った。

「ありがとう。発砲したのが見えたのでね。幸運は我々に微笑んだようだ」兵士たちが答えた。

「ボクにも見えました」ピトゥが言った。

「何だって?」ビヨが驚きの声をあげた。

「思ったほど怖くありませんでした」

『アンジュ・ピトゥ』 10-02

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

 行進が止まっている間、背伸びしても何も見えない人々が好奇心を抑え切れずに、マルゴの手綱や鞍や鞦や鐙によじ登ったため、行列が動き出す頃にはとうとうマルゴは重さに耐え切れずに文字通り潰れてしまった。

 リシュリュー街の角でビヨが振り返ってみたが、マルゴの姿は見えなかった。

 ビヨはマルゴの思い出に溜息を一つつくと、声を限りにピトゥの名を三度呼ばわった。親族の葬儀に臨んだ古代ローマ人のような声だった。その声に応える声が人混みの中から聞こえたような気がした。だがその声は湧き起こったどよめきに掻き消された。どよめきは半ば脅すような、半ば喝采するような響きを伴っていた。

 行列は歩き続けた。

 店という店が閉まっていたが、窓という窓が開き、そこから行列に向かって昂奮した励ましの声が飛んでいた。

 こうしてヴァンドーム広場にたどり着いた。

 だがそこで予期せぬ障害が待ち受けていた。

 氾濫した川の流れに巻き込まれた木々の幹が、橋脚にぶつかって、後ろから流れて来た漂流物に乗り上げるように、人民軍(l'armée populaire)はヴァンドーム広場でドイツ人聯隊(un détachement de Royal-Allemand)とぶつかった。

 騎兵隊だ。人の流れがサン=トノレ街を通ってヴァンドーム広場まで浸蝕して来たのを見て、五時間前から一休みしたがっていた馬の手綱を緩め、民衆に向かって突撃して来た。

 担架を運んでいた男たちが最初に直撃を喰らってひっくり返った。ビヨの前にいたサヴォワ人が真っ先に立ち上がり、ドルレアン公の胸像を起こし、持ち手の先に結わえて高々と掲げ声をあげた。「ドルレアン公万歳!」と、会ったこともない公を讃え、「ネッケル万歳!」と、知りもしないのに叫んだ。

 ビヨがそれを真似てネッケルの胸像を掲げようとしたが、そうと察した二十四、五歳の洒落た若者がそれを目で追い、ビヨよりも易々と掲げたので、地面に落ちていた胸像は見る間に頭上に突き出された。

 ビヨは虚しく地面を掻いた。ネッケルの胸像はとうに持ち手の先でドルレアン公の隣に並び、人々に取り囲まれていた。

 不意に広場に閃光が走った。と同時に銃声が聞こえ、弾丸が風を切る。何か重たいものが額に当たり、ビヨは倒れた。一瞬、自分は死んだのだと覚悟した。

 だが五感は失われてはいなかった。頭に激しい痛みを感じたので、どうやら怪我をしたらしいことはわかった。頭のほかには異常はない。額に手をやり傷の具合を確かめると、頭には瘤が出来ているだけだが、手が血に染まっている。

 ビヨの前を歩いていた身なりのいい青年が、胸に弾丸を受けていた。死んだのはその青年であり、血も青年のものだった。ビヨの頭にぶつかったのは、支えを失い倒れたネッケルの胸像だった。

 ビヨは憤怒と恐怖で声をあげた。

 ビヨは断末魔に喘ぐ青年のそばを離れた。周りには同じようにして離れた人々がいて、嘆き声が弔いのようにサン=トノレ街の一群に広がっていた。

 この声が新たな叛乱だった。またも銃声が聞こえ、人混みにぽっかりと空いた穴が銃弾の通ったことを知らせていた。

 ビヨは血塗れになった胸像を抱え上げて頭上に掲げ、足許に横たわる青年のように殺される危険も顧みずに雄々しく声をあげようとしていた。その原動力は憤怒だった。一瞬にして頭に血が上っていた。

 だがすぐに大きく逞しい手が肩にのしかかり、押しつぶされそうになった。ビヨは逃れようとしたが、今度は両手が両肩にのしかかった。ビヨは振り返って邪魔者を睨んだ。

「ピトゥ!」

「ボクです。少し伏せて見ていて下さい」

 ピトゥは力を込めて無理矢理ビヨを伏せさせた。

 地面に顔を途端に二度目の銃声が鳴り響いた。ドルレアン公の胸像を運んでいたサヴォワ人が太腿を撃たれてよろめいた。

 それから鉄が舗道を穿つ音が聞こえた。騎兵隊の第二波が送られる。黙示録の馬のように鬣を振り乱した怒れる馬に踏まれたサヴォワ人が、槍で貫かれたような痛みに打たれて、ビヨとピトゥの上に倒れかかった。

 嵐は道の奥まで吹き荒れ、恐怖と死をもたらしていた! 死体だけを舗道に残し、人々は近くの路地に逃げ込んだ。窓は閉められ、熱狂と憤怒の後には痛ましい静寂が訪れつつある。

 ピトゥに押さえつけられていたビヨはしばらくはおとなしくしていた。だが物音が遠ざかってゆくのを聞いて危険は去ったと判断すると、ピトゥが巣穴の兎のように頭ではなく耳を立てているのを尻目に、膝を立てた。

「ビヨさんの話は本当だったんですね。凄い時機に来ちゃいました」

「そうだな。手伝ってくれるな?」

「何をしましょう? 逃げるんですか?」

「いいや。洒落者は死んだが、サヴォワ人は気を失っただけじゃないかな。あいつを背負うのを手伝ってくれ。こんなところに放っておくわけにはいかん。ドイツ野郎にとどめを刺されちまう」

 ビヨの言葉はピトゥの心に真っ直ぐ突き刺さった。従うよりほか応えはない。ピトゥは気を失った血塗れのサヴォワ人の身体を袋のように抱え上げ、ビヨの肩に預けた。ビヨはサン=トノレ街に人気がないことを確認すると、ピトゥを従えパレ=ロワイヤルに向かった。

 
 第十一章に続く。

『アンジュ・ピトゥ』 10-1

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

第十章 ピトゥの旅の終わり、即ちパリで起こったこと

 ダマルタンからパリまではまだ八里ある。前半の四里は難なく攻略したものの、ル・ブルジェ(Le Bourget)まで来たところでマルゴの足が遂にもたつき出し、ピトゥが長い足でけしかけてもどうにもならなかった。夜のとばりが降り始めていた。

 ラ・ヴィレット(La Villette)まで来ると、パリの辺りが輝いているように見える。

 地平線が赤く色づいていることにピトゥも気づいた。

「見えませんか? きっと軍隊が野営して火をたいているんです」

「軍隊だと?」

「こっちにはたくさんいるのに、どうしてあっちには行かないんだろう?」

 なるほどビヨが右手に目を凝らすと、サン=ドニ平原の闇の中を静かに歩く歩兵や騎兵の黒い影が見えた。

 星の微光を受けて時折り武器がきらめいている。

 夜中に森を歩き回っていたピトゥは夜目も利くので、ビヨに状況を報告した。ぬかるんだ土に大砲の車輪が埋まっているのが見える。

「そうか、向こうで何か起こっているんだな。よし、急ごう」

「向こうで火の手が上がりました」ピトゥがマルゴの上で首を伸ばした。「ほら! 光ったのが見えませんか?」

 ビヨがマルゴを止めて舗道に飛び降り、木陰で休んでいる青と黄の兵士たちに近づいた。

「やあ兄弟たち、パリで何が起こっているのか教えてもらえないだろうか?」

 だが兵士たちはドイツ語で何やら言い返すだけであった。

「何て言っているんだ?」ビヨがピトゥにたずねた。

「ラテン語ではありません」ピトゥの声は震えていた。「それだけは断言できます」

 ビヨはしばし考え込んだ。

「馬鹿だな! ドイツ野郎に話しかけるとは」

 何事なのかとそのまま道の真ん中に佇んでいると、将校が近づいて来た。

「ざっざとお行きなざい」

「それが大将、俺はパリに行きたいんだがね」

「ぞれで?」

「道の真ん中にあんたらがいたものだから、市門に行けないんじゃないかと思ってね」

「いけるとも」

 そこでビヨは馬に跨り市門に向かった。

 だが今度はベルシュニー(Bercheny)軽騎兵隊がラ・ヴィレットの道をふさいでいるのに出くわした。

 今回は質問するのがフランス人相手なのでさっきよりも上手くやれた。

「失礼ですが、パリで何が起こっているんですか?」

「パリっ子どもがネッケルを返せと言って、俺たちに向かって銃をぶっ放してるんだ。俺たちは関係ないだろうに」

「ネッケルを返せ? つまりネッケルを奪われたんですか?」

「ああ、国王が罷免したんだ」

「国王がネッケル氏を罷免しただって!」ビヨは愕然とした。まるで涜神的な言葉を吐いた信徒のようだ。「国王があの大人物を罷免した?」

「それだけじゃない。あの人はブリュッセルに向かってるんだ」

「笑うしかないな」ビヨが声をあげた。何百とない王党派が剣を佩いている真ん中で叛乱めいた言動をするにも躊躇がない。

 ビヨはマルゴの背に戻り、思い切り拍車を当てて市門に向かった。

 進むに連れて赤い火勢が増しているのが見えた。火柱が門から空まで立ち上っている。

 市門それ自体が燃えているのだ。

 群衆の怒号が聞こえる。男よりも女たちの声も混じっていた。建物の木っ端や入市税官吏の家具や事務用品が火の勢いを絶やさずにいた。

 路上ではハンガリーやドイツの軍隊が立て銃の姿勢で眉もひそめずこうした惨状を見つめていた。

 ビヨは炎の砦を前にしても立ち止まらなかった。火の中に馬をはっしと進めると、マルゴは果敢にも燃えさかる障害を飛び越えた。だが飛び越えた先の群衆を前にして立ち止まらざるを得なかった。街の中心部から外れまで引き寄せられた群衆の、ある者は歌い、ある者は「武器を取れ!」と叫んでいる。

 ビヨはすっかり素のままの、用事でパリにやって来た農夫そのものだった。恐らくビヨは「どいてくれ!」と怒鳴っていたのだが、ピトゥがその後から「どいて下さい! お願いします!」と丁寧に繰り返していたので、互いに補う形になっていた。ビヨの邪魔をするつもりの者などいなかったので、人垣が割れて道が出来た。

 マルゴも体力を取り戻していた。火の粉が皮膚を焦がし、いつにはない騒ぎにマルゴも怯えている。ビヨはビヨで戸口の前にいる群衆や戸口を離れて市門に駆け出してゆく群衆を踏みつぶしてしまわぬように、駆け出したい気持を抑えざるを得なかった。

 ビヨは何とか前に進み、大通りまでマルゴを右に左に操った。だが大通りまで来ると再び足止めを余儀なくされた。

 バスチーユから寄せて来た人波がガルド=ムーブルに歩みを進めていた。この当時、この二箇所はパリの周縁をつなぐベルトの留め金だった。

 大通りを埋め尽くしている群衆は一台の担架を先頭にして練り歩いている。担架の上には二つの胸像が乗せられていた。一つはヴェールで覆われ、一つは花で飾られている。

 ヴェールで覆われているのは、罷免されたうえに追放されたネッケルの胸像だ。花で飾られているのは、ジュネーヴの財務官に公然と味方していたドルレアン公の胸像だ。

 いったい何の行列なのかとビヨがたずねてみると、ネッケル氏と後援者ドルレアン公への民衆の敬意によるものだという言葉が返って来た。

 ビヨが生まれたのは一世紀半にわたってドルレアン公という名前に敬意が払われている土地であった。ビヨは哲学の学徒であったから、ネッケルのことを偉大な大臣であるに留まらず人類愛の使徒であると考えていた。

 ビヨの感情に火をつけるにはそれで充分だった。無意識に馬から飛び降り、「ドルレアン公万歳! ネッケル万歳!」と叫びながら人混みに加わった。

 ひとたび人混みに交われば個人の自由はなくなる。人は自由意思を持つのをやめ、群衆の望むことを望み、群衆の為すことを為すようになる。おまけにビヨが加わったのは行列の尻尾ではなく頭に近いところであったから、熱気に飲まれるのも容易かった。

 群衆は声を限りに叫んでいた。「ネッケル万歳! さらば外国人部隊! 打倒外国人部隊!」

 力強いビヨの声がその声に同調した。

 何であろうと優れたものは民衆に支持される。パリっ子たちの声は栄養失調のせいかワインの飲み過ぎのせいかは知らぬがか細くしゃがれていた。だから若々しさに満ちたよく響くビヨの声はパリっ子たちに認められた。場所を空けられて、ビヨは押しのけらも肘で突かれも押しつぶされもせずに、担架までたどり着くことが出来た。

 十分後には限界に来ていた担ぎ手がビヨに担架を譲った。

 ビヨはすぐさま担ぎ手に加わっていた。

 昨夜まではジルベール医師のパンフレットを布教するだけの人間に過ぎなかったというのに、翌日にはネッケルとドルレアン公勝利の立役者の列に並んでいるのだ。

 だがそんな身分に収まった途端に考えたことがある。

 ピトゥはどうなった? マルゴはどうなった?

 担架を運びながら振り返ると、行列を照らしている松明の光と、窓を照らす紙提灯の明かりを通して、行列の真ん中辺りで五、六人の塊が声をあげて動き回っているのが見えた。

 その中心にピトゥの声と長い腕を認めるのは容易かった。

 ピトゥはマルゴを必死に守ろうとしていたが、努力の甲斐なくとうとう押し切られた。もはやマルゴの背にはビヨとピトゥという大事な荷物は見えない。

 マルゴは乗せられるだけの荷物を、背、尻、首、き甲に乗せていた。

 夜の闇はあらゆるものを幻の如く大きく見せる。マルゴの姿は幾多の狩人を乗せて虎狩りに赴く象のようであった。

 マルゴの背に乗った五、六人の男たちが昂奮して叫び始めた。「ネッケル万歳! ドルレアン公万歳! 打倒外国人部隊!」

「マルゴが潰れちゃいます」というのがピトゥの返事だった。

 狂瀾が広がっていた。

 すぐにビヨはピトゥとマルゴを助けに行こうとした。だがひとたび担架の持ち手を離してしまったら、もう二度とそうした名誉を担うことは出来ないのではないかと考え直した。よくよく考えてみれば、ルフラン親父との物々交換によってカデとマルゴを交換したのだから、マルゴは自分のものであり、たといマルゴに何か起ころうとも、三、四百リーヴルの問題で済む。ビヨの経済力があれば、祖国のために三、四百リーヴルを犠牲にするくらいは何でもない。

 そうこうしているうちにも行列は進み、左に折れ、モンマルトル街を通ってヴィクトワール広場まで下っていた。パレ=ロワイヤルにまで来ると人でごった返して前に進めなくなった。帽子に緑の葉をつけた人々が叫んでいる。「武器を取れ!」

 見極めなくてはならない。ヴィヴィエンヌ街を塞いでいるのは敵か味方か? 緑はダルトワ伯の色だ。なぜ緑の徽章を?

 すぐに合点が行った。

 ネッケルの罷免を聞いた若者がカフェ・フォワから出て来て、テーブルに上り、拳銃を手に「武器を取れ!」と叫んでいるのだ。

 パレを歩いていた人々がその声を聞いて「武器を取れ!」と唱和して集まっていた。

 外国の軍隊がパリを囲んでいることは既に述べた。オーストリアの侵攻ではないのか? フランス人の耳には軍人たちの名が怪物のように聞こえた。ライナッハ、サリス=サマード、ディースバッハ、エスターハツィー、レーマー。それが敵の名だと群衆に理解させるには、その名を呼ぶだけで充分だった。若者は敵の名を数え上げた。シャン=ゼリゼーに野営しているスイス人が、大砲を四台曳いて、ランベスク公の騎兵隊に先んじて今夜パリにやって来る、と訴えた。新しい徽章を作ることを呼びかけ、マロニエの葉を千切って帽子につけた。すぐに聴衆がそれに倣った。十分後には三千人の人々によってパレ=ロワイヤルの木々が裸にされていた。

 朝には誰にも知られていなかった若者の名が、夜には人々の口に上っていた。

 若者の名はカミーユ・デムーランといった。

 味方を見極めた人々は抱擁を交わして、道を進んだ。

『アンジュ・ピトゥ』 09-2

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

 ここでピトゥははっと我に返った。

「まだ蹄の音がする!」

 ピトゥは顔を上げた。

「間違いない。馬の走る足音だ。坂の上まで来れば確認できるぞ」

 と思う間もなく、馬が坂の天辺に現れた。すぐ後ろ、距離にして四百パッススばかりしかない。

 警官は驢馬に化けることは出来ないが、逃げる獲物を馬に乗って追いかけることは出来る。

 とうに過ぎ去ったとばかり思っていた恐怖に再び襲われ、ピトゥは最前までの二時間よりもさらに大きく、さらに激しく足を動かした。

 ものも考えず後ろも確かめず、逃げるのを隠そうともせずに、自らの脚力を信じてひと跳びで側溝を飛び越え、畑を突き抜けエルムノンヴィル(Ermenonville)に向かって逃げ出した。そこがエルムノンヴィルだ、と知っていたわけではない。地平線の先に木々の梢が見えたからだ。

「あれは森かな。あそこまで行けば大丈夫だ」

 というわけで一直線にエルムノンヴィルを目指した。

 今回の相手は馬である。ピトゥに備わっているのはもはや足ではなく翼だった。

 百パッススばかり走ったところで後ろを振り返ってみると、馬が大きく飛び跳ねて側溝を越えていたのだから、なおさらだった。

 これでもう疑いは消えた。あの男が追いかけているのは自分だ。ピトゥはさらに速度を上げ、振り返って時間を無駄にもしなかった。ピトゥの背を押しているのは敷石を叩く蹄の音ではなくなっていた。下が作物と土になったため音は弱まっている。ピトゥの背を押しているのは、追いかけてくる声らしきものであった。ピトゥの名を呼ぶ「ウゥ! ウゥ!」という最後の音節が、まるで憤怒の唸りのように尾を引いて空中を渡って来るようであった。

 だがさすがに全速力で十分も走ると、胸が苦しく、頭が重くなって来た。目もちかちかし始めた。まるで膝が腫れ、腰に小石が詰まったようだ。普段は靴の鋲が見えるほど足を高く上げて走るのに、今は何度か畝につまづいた。

 走ることにかけては人間より優れた馬が、ついに二本足のピトゥに追いついた。もはや「ウゥ! ウゥ!」ではなくはっきり「ピトゥ! ピトゥ!」と言っているのが聞こえた。

 終わった。もう駄目だ。

 それでもピトゥは走ろうとした。意思とは別に、何かの反動に突き動かされるようにして前に進んだ。不意に膝が言うことを聞かなくなった。足がもつれ、空気を吐き出し、うつぶせに倒れ込んだ。

 だが、もう起きるまいと開き直り、そのままわざと腹ばいになっていると、腰にぴしゃりと鞭を当てられ、聞き覚えのある声で罵られた。

「まったくおまえって奴は! カデを潰すつもりか」

 カデという名前を聞いて、ピトゥもようやく心を決めた。

 ピトゥが振り返ったので、うつぶせから仰向いた形になった。「ビヨさんの声だ」

 確かにビヨ氏だった。それを確認してピトゥは身体を起こした。

 ビヨ氏の方も、白い汗をかいているカデを止まらせた。

「ビヨさん、追いかけて来てくれたんですね! カトリーヌさんがくれた大型ルイがなくなったら戻るつもりだったんです。でもあなたがいらっしゃったんなら、大型ルイはお返しします。元々ビヨさんのですもんね。じゃあ農家に戻りましょう」

「どいつもこいつも農家だな! 密偵イヌどもは何処だ?」

「イヌ?」ピトゥにはこの言葉の意味がよくわからなかった。少し前の時代に語彙に加わったばかりなのだ。

「ああ、イヌだ。わかりやすく言えば、黒服の男たちのことだな」

「あの人たちですか! わざわざ追いつかれるまでボクが待っていたと思ってるんですか」

「上出来だ! てことはあいつらは遙か後ろか」

「もちろんです。たいしたことじゃありませんけど、駆け比べの時みたいに走りましたからね、きっとそうだと思います」

「それだけ自信があるなら何でまたそこまで必死で逃げていたんだ?」

「だってあの親分が仕事をやり遂げようとして馬で追いかけて来ていると思ったんです」

「なるほどな! 思っていたほど抜けてはいないらしい。さあ道が開けたからには、進め! ダマルタンへ」

「ようし! 進め! 進め!」

「よしそうだ。起き上がって一緒に来い」

「ダマルタンに行くんですね?」

「ああ。ルフラン(Lefranc)の野郎のところで馬を借りて、カデを預けていく。さすがに限界だからな。今夜にはパリまで行くぞ」

「そうしましょう、ビヨさん」

「よし、進め!」

 ピトゥはそうしようとした。

「ビヨさん、行きたい気持はあるのですが、行けそうにありません」

「立てないのか?」

「はい」

「さっきはあれだけ飛び回ってたじゃないか」

「そりゃそうですよ。ビヨさんの声が聞こえたうえに、鞭で背中をはたかれたんですから。あんなの一回きりです。もう声にも慣れちゃいましたし、鞭だってカデを操る時にしか使わないのはわかってますから。そのカデだってボクと同じくらい疲れてるじゃないですか」

 ピトゥの理屈ももとをただせばフォルチエ神父の理屈なのだが、これにはビヨも納得した。いや、感銘を受けたと言ってもいい。

「悪いが事情を汲んでる暇はない。頑張ってカデの後ろに乗んな」

「でもそんなことしたらカデが持ちませんよ!」

「大丈夫だ。三十分でルフランのところに着く」

「でもビヨさん、ボクがルフランさんのところに行っても無意味じゃありませんか」

「なぜだ?」

「ビヨさんはダマルタンに行かなくちゃならないかもしれませんけど、ボクには行く用がありません」

「そうだな。だが是非パリに行ってもらいたいんだ。パリに行ったら、その力強い拳が役に立つ。向こうじゃもうすぐひと騒動持ち上がるだろうからな」

「本当に役に立つと思いますか?」

 大喜びでピトゥがカデによじ登ると、ビヨが小麦粉袋のように引っ張り上げた。

 ビヨが道に戻り、手綱を締め拍車を掛けると、言葉通り三十分もしないうちにダマルタンに到着した。

 ビヨはよく知っている小径から町に入っていた。ルフラン親父の農場に着くと、ピトゥとカデを中庭に残して、真っ直ぐ台所に向かった。折りしも畑に出かけようとしたルフラン氏が脚絆を留めているところだった。

「急いでくれ。逞しい馬が要る」ビヨはルフラン氏が驚きから醒める間も与えなかった。

「マルゴだな。さっき鞍をつけたばかりだ。これから乗るところだったんだ」

「じゃあマルゴだ。一つ断っておくが、乗り潰してしまうかもしれん」

「マルゴを乗り潰すだと! どういうことだ?」

「晩までにパリに行かなくちゃならないんだ」ビヨが嘆きをあげた。

 それからビヨはルフランに神秘的なフリーメーソンの合図をした。

「マルゴが潰れたら、カデをもらえるんだな?」

「それで手を打とう」

「酒は?」

「二杯」

「一人じゃないのか?」

「ああ。頼れる青年が一緒だ。疲れているんで向こうで休ませている。何か食べるものはないか?」

「ちょっと待ってくれよ」

 二分後には農夫二人は壜から葡萄酒を飲み、ピトゥはパン二リーヴルと脂身半リーヴルを嚥み込んでいた。その間、作男が馬を擦るようにピトゥを藁で揉んでいた。

 身体を揉まれ、腹もくちくなると、ピトゥも葡萄酒を飲み始めた。ピトゥが参加したために三本目の壜は瞬く間に空になった。食事が済むとビヨがマルゴに乗り、ピトゥもコンパスのようにしゃちほこばりながらも背に跨った。

 拍車を掛けられたマルゴは、二人分の重さをものともせずにパリ目指して駆け出した。蠅を追い払って動く尻尾の毛が、ピトゥの背に当たって埃を立て、靴下の脱げかけたふくらはぎに時折りぶつかっていた。

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東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
  • 名前:東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
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  • 翻訳が高じて仏和辞典Webサイトを作る。

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