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 「ロングマール翻訳書房」より、翻訳連載blog

『アンジュ・ピトゥ』 30-5

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「ええ、そうね。何て正しいのかしら。陛下は慎重な方ですもの、犬が飼い主を怖がるように、国民を怖がってらっしゃるんです」

「逆だよ、飼い主が犬を怖がるようにだ。犬に咬まれないようにするのは一仕事だよ。イスパニアの国王から贈られたピレネー犬のメドールと散歩するたび、友だちでよかったとつくづく鼻が高い。笑いたければ笑うがいい。メドールが友人でなければ、あの大きな白い牙で食い殺されていても不思議はない。『ようしメドール。いい子だ、メドール』と言ってやれば、舐めてくれるよ。牙なんかより舌の方がいい」

「だったら叛徒たちを甘やかして、撫でて、お菓子を放ってやったら如何です」

「ではそうしよう。ほかに案もない、本当だ。うん、決めたぞ。金を集めて、ケルベロスのような殿方を相手にしよう。さて、ミラボー氏だが……」

「ええ、あの猛獣の話を聞かせて下さい」

「月に五万リーヴル使えばメドールにもなろうが、手をこまねいていては月に五十万かかってしまう」

 王妃は情けなさの余り笑い出した。

「あんな人たちにごまをすらなきゃならないなんて!」

「バイイ氏(M. Bailly)も、美術大臣という地位でもこね上げて就任させてやれば、あれもまたメドールになるだろう。そなたの考えとは違うて悪いがね、余は父祖であるアンリ四世の考えに従っておるのだ。そのたぐいまれなる政治家の言ったことを思い出しておった」

「何と仰いましたの?」

「酢を用いても蠅は捕れぬ」

「サンチョ・パンサも似たようなことを言ってます」

「だがもしバラタリアが実在していれば、サンチョ・パンサならその島民を幸せにしていたに違いない」

「陛下の仰ったアンリ四世なら、蠅だけでなく狼だって捕まえてらっしゃいました。その証拠に、ビロン元帥の首を斬らせたではありませんか。アンリ四世なら好きなことを口にすることが出来ました。アンリ四世のように考えながら陛下のように動いてしまっては、玉座の生命線である威光は剥がれ落ちてしまいます。陛下はすべての根幹を傷つけていらっしゃるのです。威厳マジェステが何になるというのですか? 威厳とは言葉に過ぎません。でもその言葉の中にこそ、『敬う者は愛し、愛する者は従う』という君徳が張り渡されているのではありませんか」

「では威厳の話をしようか」国王は笑顔で応えた。「例えばそなたにも、誰にも負けぬほどの威厳がある。欧州には勝てる者はなかろう。そなたと同じく威厳という学問を極めた母御のマリア=テレジアさえそなたには届かぬ」

「仰りたいことはわかっています。わたしがフランス国民から忌み嫌われているのは威厳のせいではないと仰りたいのでしょう」

「忌み嫌われているとは言わぬよ、アントワネット」国王が優しい言葉をかけた。「だがやはり、そなたに相応しいほど愛されているとは思えぬ」

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『アンジュ・ピトゥ』 30-4

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「残念がれとでも? 機智も勇気も備えているが、生憎と脳みそが足りぬお坊っちゃんだ。ルイ十三世時代のめかし屋のような、フランス貴族を気取っておる。人騒がせで軽率なあまり、そなたを危険に巻き込みおった。カエサルの妻であるそなたを」

「カエサル?」王妃は切れるほど冷やかな声で呟いた。

「それともクラウディウスか? 好きな方で呼べばよい。クラウディウスはネロと同じく皇帝カエサルだったのだからな」

 王妃はうつむいた。落ち着いて歴史を持ち出されて混乱していた。

「カエサルよりもクラウディウスの方がお気に召すというのならそうするが、そのクラウディウスがヴェルサイユの門を閉めて、そなたの帰りが遅いのをたしなめたことがあったであろう。その原因を作ったのがダルトワ伯だった。叔母のことなら知っての通りだ。あれもまた皇帝カエサルの一族と言うに相応しかろう。だが何も言わんでおこう、何しろ叔母だからな。とは言え、逃げ出したとてやはり残念には思わぬ。プロヴァンス伯のことだって、余が残念がると思うかね? 逃げ出すというのなら、ご機嫌よう!だ」

「行けだなんて言わないで下さいまし」

「それはがっかりだ。ラテン語ではプロヴァンス伯に勝てぬからな、見返すには英語を話さなくてはならん。ボーマルシェの件を押しつけて来たのはプロヴァンス伯だった。ビセートルだかフォール=レヴェックだか知らぬが勝手に投獄させおって。そのうえしっかりと送り返して来よった。プロヴァンス伯は残るのか! それはがっかりだな。気づいておるのか? そなたの周りで信用できるのはシャルニー殿しかおらぬではないか」

 王妃は真っ赤になって顔を逸らした。

「シャルニー殿も逃げ出すのか? それは残念だな、行っては欲しくない」

 王妃は何も答えなかった。

「バスチーユの話に移ろうか……」国王はすぐに話を続けた。「占拠されたのを嘆いておったな」

「せめてお坐り下さい。まだまだ仰るべきことはたくさんあるのでしょうから」

「いや結構。歩きながら話す方がよい。健康のためだ。誰も気にかけてはくれぬからな。実際たらふく食べても消化が出来ぬ……今ごろ何と言われているかわかるかね? 『国王は夜食を食べたから、眠っているに違いない』と言われておるのだ。眠っているかどうかよく見給え。こうしてここで消化を助けるため立ったまま、妻と政治の話をしているのだ。そうだ、償おう!……」

「何を償うと言うのですか?」

「余が代償を払わされることになった時代の罪を償おう。ポンパドゥール夫人、デュ・バリー夫人、鹿の園のことを償おう。幾つかの独房で三十年にわたって朽ち果てて、その苦しみによって名を成した、あの哀れなラチュード(Latude)のことを償おう。それにバスチーユに憎しみを向けさせた者のことも。余は確かに馬鹿な真似をしたが、そうしておきながら他人が馬鹿な真似をするのを放っておいたのだ! 哲学者に経済学者、科学者に文学者どもの迫害に喜んで手を貸して来た。あやつらの望みは余を愛することだったというのに。愛してくれていたなら、今の世に栄光と幸福をもたらしてくれたであろうに。例えばルソー、あのサルチーヌの猪を見た日のことだ。そなたがトリアノンに呼んだ日のことだよ。ブラシもかけられていない服を着ていたのは間違いないし、髭が伸びていたのも間違いはない。だがそれでもはやり、立派な男だよ。余がゆったりとした灰色服と絹靴下を身につけていたなら、『ヴィル=ダヴレー(Ville-d'Avray)の森まで一緒に苔を探しに行かないか』とルソーに話しかけていたところだ……」

「だったらどうだと仰るの?」王妃が呆れた様子で遮った。

「だったらルソーも『サヴォワの叙任司祭』や『社会契約論』を書かなかっただろう」

『アンジュ・ピトゥ』 30-3

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「そうだとも、知らない話ではあるまい。そなたの取り巻きポリニャック、ドルー=ブレゼ、クレルモン=トネル、コワギー(Coiguy)たちが余の話を聞いて、見えないところで肩をすくめているのはよくわかっておる。だがそれはそれとして可哀相な奴らではないか。あのポリニャック一族は、そなたを食い物にして、そなたの威を借り、そなたからある朝フェネトランジュ(Fénétrange)の伯爵領をもらい、百二十万リーヴルをたかった。サルチーヌは、余から八万九千リーヴルの年金をもらっている癖に、非常用としてさらにそなたから二十万リーヴル受け取った。ドゥー=ポン公(prince des Deux-Ponts)のために、そなたは余に九十四万五千リーヴルの借金を肩代わりさせた。マリー・ド・ラヴァル(Marie de Laval Anne-Alexandre-Marie de Montmorency-Laval 1747-か?)とマニャンヴィル(Magnenville Magnanville?)夫人は、それぞれ八万リーヴルの年金を支給された。コワギーもなんやかやと満たされておるし、給料を削ろうとした日には、玄関先で余を捕まえおった。願い通りにしていなければ、殴られていたかもしれぬ。これがみんなそなたの友人ではないか。一つだけ言っておこう。そなたは信じぬかもしれぬな、それが真実であるだけに。そなたの友人たちがいるのが宮廷ではなくバスチーユであったら、国民は監獄を破壊などせず補強していたであろうな」

「何ですって!」王妃は思わず怒りを見せた。

「言いたいことがあるなら言ったらどうだね」ルイ十六世は落ち着いて答えた。

「陛下がご贔屓なさってる国民も、いつまでもわたしの友人たちを憎んだりはしませんよ、みんな逃げ出してしまったんですもの」

「いなくなったのか!」

「ええ、いなくなりました」

「ポリニャックも? 貴婦人たちも?」

「ええ」

「それは結構! ありがたいことだ」

「結構ですって? ありがたい? 残念だとは思わないのですか?」

「思う訳がなかろう。旅費は足りるのか? 足りない分は出してやろう。悪い使われ方にはなるまい。殿方もご婦人もご機嫌よう、良い旅を!」国王はにっこりと笑った。

「そんな卑怯な行動をお認めになるのですね」

「まあ待て。ではあれたちが正しいと?」

「出かけたのではなく、逃げ出したのですよ!」

「遠くに行ったのならどちらでもよい」

「しかもそんな卑怯な行動をそそのかしたのが陛下のご家族なのですから!」

「余の家族がそなたの取り巻きをそそのかして立ち去らせたと言うのか? 余の家族がそれほど賢かったとは知らなんだ。そんな親切をしてくれたのが誰なのか聞かせてくれ、礼を言わねばなるまい」

「アデライード叔母さまと、弟君のダルトワ殿下です」

「ダルトワが? そそのかしただけでなく自分でも実行するだろうか? ダルトワも逃げ出すのだろうか?」

「しないとお思いですか?」マリ=アントワネットは辛辣な言葉を返した。

「どうにでもなれ! ダルトワが行くと言うのなら同じ言葉をかけるまでだ。ご機嫌ようダルトワ、良い旅を!」

「弟君なのに!」マリ=アントワネットは愕然とした。

『アンジュ・ピトゥ』 30-2

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「バスチーユを陥落させ、司令官を殺害し、パリ市長を嬲り殺し、兵たちを皆殺しにしたのが正しいと?」

「ああ……残念ながら、そうだ」

「それが陛下のお考えですか! わたしに伝えようとしたのは、そういう話なのですか!」

「思い浮かんだ通りに言ったまでだ」

「お食事中にですか?」

「丁度いい、食事の話に戻ろうか。どうして食べさせてくれぬのだ。詩人か仙人にでもするつもりか? どうしろというのだ? 余の家系は大食いなのだ。アンリ四世は大食いなうえに大酒飲みだった。大王にして風流なルイ十四世は恥ずかしいほどの大食いだった。ルイ十五世は安心してよく食べよく飲めるように、自分でベニエを作り、デュ・バリー夫人に珈琲を淹れさせていた。仕方があるまい。余は腹が減ったら我慢が出来ぬのだ。ルイ十五世、ルイ十四世、アンリ四世のひそみに倣うほかあるまい。やむにやまれぬ時には大目に見てくれ。間違っていた時には許してくれ」

「つまり陛下が仰りたいのは……」

「腹が空いても食べてはならぬのか? そんなことはないと言いたかったのだ」国王は力なくかぶりを振った。

「もうその話は結構です。国民のことをお話ししましょう」

「わかった」

「国民は間違っていると仰りたかったのでは?」

「叛乱のことか? それはもうよい。大臣のことを考えて見給え。我々の治世になってから、心から国民の幸福のために働いていた人間がいったい何人いる? 二人。チュルゴーとネッケル氏だ。そなたと取り巻きが追放させた二人だよ。一人のために暴動が起きた。きっと二人目のために革命が起きるだろう。話を変えぬか。面白い人間たちがいるではないか? モールパ氏(M. de Maurepas)、叔母たちの子分、小唄の作者。褒め称えるべきは大臣ではなく国民ではないか。カロンヌ(M. de Calonne)氏? 都合のいい言葉を伝えたそうではないか、知っておるぞ、それが今もまだ尾を引いておる。何を尋きに行ったのかは知らぬが、何かをたずねた折り、『出来そうなことであれば実現します。出来そうになければそのうち実現します』と言われたそうだな。その言葉は国民にとっては一億フランの痛手だった。国民がその言葉にそなたほど感銘を受けなかったとしても驚くには当たるまい。いい加減に理解し給え。いくら国民から搾取している者たちを守り、国民を愛しむ者たちを追放したりしても、今の政府には国民をなだめる手だても惹きつける手だてもないのだよ」

「だから叛乱も当然であると? それを堂々と宣言なさればいいでしょう! そんなことを仰ったのが二人きりの時で本当によかった。誰かに聞かれていたらどうなっていたことか!」

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東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
  • 名前:東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
  • 本好きが高じて翻訳小説サイトを作る。
  • 翻訳が高じて仏和辞典Webサイトを作る。

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