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 「ロングマール翻訳書房」より、翻訳連載blog

『アンジュ・ピトゥ』61-4

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「こんにちは、イジドールさん」カトリーヌの声が聞こえた。

「イジドールさんか。やっぱりそうだった」とピトゥが呟いた。

 途端に人の乗った馬に踏みつぶされたような重みを心に感じた。

 途端に全身に疲れを感じた。疑惑と不審と嫉妬によって一時間前から動きづめだったツケが回って来たのだ。

 二人は向き合って手綱を放し、手を握り合っていた。立ったまま身体を震わせ、無言で微笑み合っていた。二頭の馬は慣れたものだったのだろう、鼻面で胴を擦り合ったり、道端の苔を脚でいじったりしていた。

今日はヽヽヽ遅かったのね、イジドールさん」カトリーヌが沈黙を破った。

「『今日は』だって!」ピトゥが呟いた。「それじゃまるで、ほかの日は遅れなかったみたいじゃないか」

「仕方なかったんだ、カトリーヌ」イジドールが答えた。「今朝、兄から手紙が届いたから、折り返し返事を出さなくてはならなかったんだ。でももう大丈夫、明日は遅れないよ」

 カトリーヌが微笑んだのを見て、イジドールはその手をいっそう優しく握り締めた。

 荊に刺されたようにピトゥの心から血が流れた。

「じゃあパリから便りが届いたばかりなの?」

「ああ」

「わたしもなの」カトリーヌが微笑んだ。「このあいだ言ってた通りね、愛し合っている二人には同じことが起こるって。これが共鳴なんでしょう?」

「うん。誰から届いたんだい?」

「ピトゥから」

「ピトゥって?」イジドールの他意のない朗らかな質問を聞いて、ピトゥは頬まで真っ赤になった。

「知ってるでしょ? ピトゥだよ。パパが農場に呼んでいた人で、いつだったかの日曜日にわたしが腕を貸していた人」

「ああ、あの膝がナプキンの結び目みたいな子か」

 カトリーヌが声をあげて笑った。ピトゥは恥ずかしさのあまり死にたくなった。見れば確かに結び目のようではないか。両手を突いて起き上がってみたものの、溜息をついてすぐに腹ばいに戻った。

「ピトゥのことをあんまりからかわないで。さっきピトゥから何て言われたかわかる?」

「さあね。よければ聞かせておくれ」

「あのね、ラ・フェルテ=ミロンまでついて来るって」

「行き先でもないのに?」

「うん、だってここで待っていてくれると思っていたから。実際には待っていたのはほとんどわたしの方だったけど」

「自分がいま素晴らしい言葉を口にしたことに気づいてる?」

「そう? 気づかなかったな」

「どうしてその紳士の申し出を受けなかったんだ? きっと楽しかっただろうに」

「そうとは限らないんじゃないかな」カトリーヌは笑って答えた。

「そうだね」イジドールは愛おしげな眼差しをカトリーヌに注いだ。

 そうしてカトリーヌの真っ赤な顔に両腕を回した。

 ピトゥは目を閉じて見まいとしたが、聞くまいとして耳を塞ぐのを忘れていたため、ピトゥのところまで口づけの音が聞こえてきた。

 グロ(Gros)の「ジャファのペスト患者を見舞うボナパルト」の前景にいるペスト患者のように、ピトゥは絶望して髪を掻き毟った。【※アントワーヌ=ジャン・グロ Antoine-Jean Gros(1771-1835)。新古典主義派の画家。「ジャファのペスト患者を見舞うボナパルト(Bonaparte visitant les pestiférés de Jaffa)」には、うつぶせになって交差させた腕で髪を鷲づかみにする男が描かれている。】

 ピトゥが我に返った時には、二人はまた並足で馬を歩かせ、ゆっくりと遠ざかっていた。

 最後の言葉がかろうじてピトゥの耳に届いた。

「そうね、イジドールさん、一時間くらい一緒に歩きましょう。この馬の脚ならそのくらいの時間は取り返せるもの」そう言ってカトリーヌが声をあげて笑った。「この子は喋れないしね」

 そこまでだった。目の前が見えなくなり、地上に闇が降りるように心に闇が降りた。ピトゥはヒースの中を転げ回り、苦しみを隠そうともせずほとばしらせた。

 やがて夜の冷気に触れて正気に戻った。

 ――農場には戻るまい、とピトゥは独り言ちた。戻っても恥を掻かされ愚弄されるだけだ。ほかの男を愛する女から食事を出されるだけだ。しかも相手はボクより恰好よくて金持ちでお洒落。ピスルーではなくアラモンで暮らそう――故郷のアラモンになら、ボクの膝がナプキンの結び目みたいだなんて気に留める人はいないもの。

 ピトゥは長い足をさすると、アラモンに向かった。自分と兜と剣のことがとっくに噂になっているものだと疑いもせずに。幸福とまではいかずとも輝かしい運命が待ち受けているものだと疑りもせずに。

 だが生憎なことに、人間の本質とはただ幸せであることのみではないのだ。

 
 
 第61章おわり。第62章に続く。

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『アンジュ・ピトゥ』61-3

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

 半里以上走るとカトリーヌが見えた。カトリーヌに四半里走るいとまも与えず半里を平らげたことになる。

 実にトロットで走る馬の二倍の速さであった。

 いよいよカトリーヌと並んだことになる。

 もはや森の外れまで五百歩もない。木々の合間から見えるその先こそ、ブルソンヌだ。

 カトリーヌが立ち止まり、ピトゥも立ち止まった。

 もうそろそろ息が続かないところだった。

 ここからはピトゥがカトリーヌを追うのはその姿を見失わないためではない。一挙手一投足を見張るためだ。

 カトリーヌは嘘をついた。その目的は?

 構うまい。カトリーヌに見くびられないためには、嘘の現場を押さえる必要がある。

 ピトゥは羊歯と荊の中に顔を伏せ、兜で押し分け、時に応じて剣を用いた。

 だがその頃にはカトリーヌも馬を並足で走らせていたので、何度か枝の折れる音を聞いて馬もカトリーヌも耳をそばだたせていた。

 そうした事情もあり、カトリーヌを見失う心配がないこともあり、ピトゥは立ち止まって一息つくことにした。不審も雲散していた。

 だがそんなものは長く続くものではないし、事実まったく長続きしなかった。

 突然カトリーヌの馬がいななく声が聞こえ、それに別のいななきが応えた。

 二頭目の馬の姿はまだ見えない。

 だがいずれにしても、カトリーヌがカデ(Cadet)に柊の鞭を呉れると、カデは一息喘いでからまたトロットで駆け出した。

 そのおかげで五分後にはカトリーヌの目の前に馬に乗った男が姿を現した。その男もカトリーヌに負けぬほど息せき切って馬を走らせて来たようだ。

 あまりに突然の出来事だったため、ピトゥは為すすべもなく同じ場所に立ち尽くしたまま、もっと遠くまで見ようと爪先立つくらいしか出来なかった。

 それでも見ようとするには遠すぎた。

 だがはっきりとは見えなくとも、感電したようにピトゥを打ちのめしたのは、嬉しそうに赤らめたカトリーヌの顔色であり、震えて揺れ動いた身体であり、普段とは違い甘く輝いていた瞳のきらめきであった。

 馬上の人物が何者であるのか顔立ちを見分けられるほどではなかったが、その風采には見覚えがあった。緑の天鵞絨で出来た狩猟用外套、太い飾り紐のついた帽子、上流階級に相応しいゆとりのある優雅な佇まいの頭。いずれを取ってみても、ヴィレル=コトレのポームの名手、ダンスの名手のことを考えぬわけにはいかなかった。ピトゥの心と口と組織という組織が一斉に震え、イジドール・ド・シャルニーの名を呟いていた。

 確かにイジドールその人だ。

 ピトゥは唸るような溜息をついて藪の中に舞い戻ると、二人から二十歩ほど離れたところまで移動した。物音を立てたのが動物なのか人間なのか気にも留めぬほど、二人は夢中になっていた。

 それでも男の方はピトゥのいる方向を向いて、馬上で首を伸ばし、辺りに不審の目を向けた。

 ピトゥはその目を逃れるため咄嗟に腹ばいになり頭を地面に擦りつけた。

 それから蛇のように十歩ほど這いずって、声の聞こえるところまで移動して耳をそばだたせた。

『アンジュ・ピトゥ』61-2

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

 カトリーヌが大通りに出た頃、ピトゥは背の高いライ麦の後ろに屈み込みながら森にたどり着いた。

 一瞬で森の入口まで来たピトゥは、時間を無駄にせずドブ(fossé)を飛び越え木の下に駆け込んだ。不格好ではあったがノロジカも驚くほどの素早さだった。

 こうして十五分走ると、木々が開けて大通りが見えた。

 ピトゥは立ち止まり、節くれ立った小楢の幹に身体を預けて身を隠した。カトリーヌを追い抜いたのは間違いない。

 だが十分待ち、十五分待っても誰も来ない。

 農場に忘れ物でもして部屋をひっくり返しているのだろうか? ありそうではある。

 ピトゥは最大限の注意を払って街道に近づき、街道と森に跨るドブにまで伸びている巨大なブナの陰から首を伸ばして、見える限り遠くまで真っ直ぐに目を向けたが、何も見えなかった。

 カトリーヌは忘れ物をして農場に戻っているのだ。

 ピトゥは歩みを再開した。カトリーヌがまだ農場に到着していないのなら、戻って行くのが見えるだろうし、到着しているのなら出て来るのが見えるだろう。

 ピトゥはコンパスのように長い足を広げて、原っぱに向かって走り始めた。

 街道の外れの砂地まで走ると足取りをゆるめ、不意に立ち止まった。

 カトリーヌの馬が側対歩(l'amble)で歩いていた。

 馬は側対歩で歩いて大通りを離れ、道の外れを越えて小径を進んで行った。小径の入口には道しるべが立てられていた。

『自ラ・フェルテ=ミロン、至ブルソンヌ(Boursonne)』

 ピトゥが目を上げると、遙か遠く小径の向こう端に、白い馬とカトリーヌの赤い上着が青い森の彼方に紛れていた。

 確かに遙かに遠くではあったが、先述の通りピトゥにとって距離などないに等しい。

「よし!」ピトゥは改めて森の中を駆け出した。――つまり行き先はラ・フェルテ=ミロンではなくブルソンヌか。

 ――だけど間違っちゃいない。何度もラ・フェルテ=ミロンの名前を出していたのはラ・フェルテ=ミロンで買い物の用事があったからだ。ビヨおばさんもラ・フェルテ=ミロンの話をしていた。

 その間もピトゥは走り続けた。どんどん足を早め、猟犬のように駆け出していた。

 それもそのはずピトゥは大半を嫉妬という不安に駆られていた。ピトゥはもはやただの二足歩行の生き物ではなく、翼を持つからくりのようだった。例えばダイダロスのような、或いはその他の名もなき古代の工匠たちが夢見ながらも夢潰えて来たからくりのようだった。【※ダイダロス(Dédale)。ギリシア神話に登場する工匠。息子のイカロスとともに蝋でできた翼を作り島から脱出しようとした等の挿話がある】

 それはあたかも茎の腕を持つ藁人形が玩具売りの台の上で風に吹かれているように見えた。

 腕も足も頭も、ありとあらゆる箇所が揺れて回って飛ばされていた。

 巨大な足は歩幅にして五ピエにまで広がり、柄のついたへらのような手は櫂のように空気を漕いだ。顔にある口と鼻と目からは、音を立てて吐き出した空気を吸い込んでいた。

 如何なる馬とてこれほど激しく走ることはない。

 如何なる獅子とてこれほど貪欲に獲物を狩ることはない。

『アンジュ・ピトゥ』61-1

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

第六十一章 ピトゥが農家を出て唯一にして真の故郷アラモンに戻ろうと決意する次第

 一方ビヨ夫人は使用人の長という立場をとうに受け入れていたので、体裁を飾ったり刺々しさを見せたりすることもなく進んで仕事に戻っていた。斯くして農家の上下関係は一瞬だけ乱されたものの、蜜蜂の家庭のようにまたせわしなく動き始めていた。

 馬の用意を待つ間、カトリーヌが戻って来てピトゥを横目で眺めた。ピトゥの身体は動くことがなかったが、首だけはカトリーヌを追って風見鶏のように動いていた。カトリーヌは寝室に姿を消した。

 ――カトリーヌは何しに寝室に戻ったんだろう?とピトゥは考えた。

 哀れなピトゥ。何をしに? 髪を整え、白い縁なし帽をかぶり、一等見映えのよい絹靴下を履きに戻ったのだ。

 カトリーヌは身繕いの仕上げを終えると、馬が軒下の地面を蹴っているのを耳にして寝室を出て、母親に口づけをしてから出発した。

 カトリーヌが出がけに見せた一瞥にピトゥは納得できなかった。無関心と憐れみの相半ばするその目つきを浴びて、ピトゥは動くこともままならず混乱したままどうすることも出来ずにいた。

 カトリーヌと再会を果たしてからというもの、カトリーヌなくしては生きて行けそうになかった。

 さらに加うるに、そうした重く気怠い気持の奥には、懸念のようなものが時計の振り子のように規則正しく行き来していた。

 無邪気な人間というものは、どんな物事も同じように考えるものだ。そうした半端な人間でも、ものを感じるのは他人と変わらない。ただし感じるだけで分析はしない。

 分析するには楽しんだり苦しんだりする経験がいる。人間の心という深淵の奥底で沸き立つ感覚を覗くためには、何らかの刺戟を経験する必要があった。

 だから無邪気な老人などはいない。

 ピトゥは遠ざかってゆく馬の跫音を耳にして戸口に駆け寄った。カトリーヌが農場からラ・フェルテ=ミロン(La Ferté-Milon)までの脇道をたどり、丘のふもとまでたどり着いたのが見えた。丘の頂は森に隠れていた。

 ピトゥは戸口から未練と敬意の詰まった別れを捧げた。

 だが手と心を用いて別れを告げるや否や、ピトゥはあることを考え始めた。

 一緒に来るなとは言われたが、追って来るなとは言われなかった。

 顔も見たくないと言うことは出来ても、見るなと言うことは出来なかっただろう。

 つまりピトゥはこう考えたのである。すべき仕事がない以上は、カトリーヌがたどろうとしている道を、森を抜けて追いかけられない理由など何もない。そうすればピトゥは相手から見られることなく木の間隠れに遠くからカトリーヌを眺めていられるだろう。

 農場からラ・フェルテ=ミロンまでは一里半しかない。行き帰りの一里半ずつなどピトゥにとっては物の数ではない。

 しかもカトリーヌは街道に出るために森を迂回している。森を突っ切れば四半里は儲けることが出来る。そうなれば行き帰りのために残っているのは二里半だけということになる。

 親指小僧から身ぐるみ剥いだような人間にとって、或いは親指小僧が人食い鬼から奪った七里の長靴を奪ったような人間にとって、二里半という距離などは踏破すべき道のりのほんの序の口に過ぎない。【※le Petit-Poucet(おやゆび小僧)。シャルル・ペローの童話。両親に捨てられた小さな子供が機知によって人食い鬼から七里の長靴を奪い財宝を手に入れて家に戻り幸せに暮らす。】

 ピトゥは心を決めるやすぐに実行に移った。

『アンジュ・ピトゥ』60-5

アレクサンドル・デュマ『アンジュ・ピトゥ』 翻訳中 → 初めから読む

「家長はあなたなんですから指示を下さい」

「あなたに出す指示なんてありません」

「どうして」

「物識りなパリの人間だもの。こんな田舎の仕事は似合わない」

「何ですって?」

 カトリーヌは「違う?」というような仕種をした。

「ボクが物識り?」

「そうでしょ」

「この腕を見て下さいよ」

「だから何?」

「物識りだからといって飢え死にさせるつもりですか?」ピトゥが絶望の声をあげた。「哲学者のエピクトテス(Épictète)が食べるために働いていたことや、寓話作家のイソップが額に汗してパンを得ていたことを知らないんですか? それなのにその二人はボクなんかよりずっとずっと物識りでした」

「そうなのかもしれない。だけどそれが何だっていうの!」

「ビヨさんは家族同然に迎え入れてくれていました。また同じように過ごせるようにと、パリから送り出してくれたんです」

「そうね。パパはさせるべき仕事をしっかりとさせていたけれど、わたしには無理強い出来そうにない」

「無理強いする必要はありません」

「ええ、でも何もせずに過ごすのなら受け入れられない。パパは家長(maître)として、代理のわたしには踏み込めないところにも手を伸ばすことが出来た。パパの財産を管理するわたしは、財産をもたらさなきゃならないの」

「でも働くのはボクですから、もたらすのもボクです。カトリーヌさんは循環論法に陥ってますよ」

「何ですって?」カトリーヌがピトゥのもったいぶった言い回しを聞きとがめた。「循環論法?」

「循環論法というのは間違った理屈のことです。お願いです、家に置いて仕事をさせて下さい。そうすれば物識りの怠け者かどうか確かめることが出来ますよ。帳簿を管理したり台帳を整理したりしなくてはならないでしょう? そういった計算は得意分野ですから」

「男の人には物足りない仕事なんじゃないかしら」

「何にも出来ない人間だと思ってるんですか?」

「ずっとここで過ごせばいいよ」カトリーヌが優しい声を出した。「考えておく。結論はそのうち出るだろうから」

「考える時間が必要なのは、世話すべきかどうか自信がないからですよね。ボクがあなたにしたことを忘れてしまったんですか? 前はそんな人じゃなかったのに」

 カトリーヌは僅かに肩をすくめた。

 ピトゥの言葉を認めたわけではないが、しつこさに嫌気が差していたのもまた事実であった。

 だから会話を打ち切った。

「もういいよ。これからラ・フェルテ=ミロン(la Ferté-Milon)に行くから」

「じゃあ鞍をつけますね」

「やめて。ここにいて頂戴」

「一緒に行っちゃいけませんか?」

「ここにいて」カトリーヌがつっけんどんな言葉をぶつけた。

 ピトゥはその場から動けずにうつむいたまま、涙を飲み込んだ。煮えたぎる油から湧き出たような、瞼を焼くほどに痛い涙だった。

 カトリーヌはピトゥをその場に残して立ち去ると、馬に鞍をつけるよう農夫に伝えた。

 ピトゥは呟いた。――カトリーヌさんはボクが変わったと言うけれど、変わったのはあなたです。ボクとはまた違う変わり方だけれど。

 
 
 第60章おわり。第61章に続く。

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東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
  • 名前:東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
  • 本好きが高じて翻訳小説サイトを作る。
  • 翻訳が高じて仏和辞典Webサイトを作る。

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