翻訳連載ブログ
 「ロングマール翻訳書房」より、翻訳連載blog

近況報告

ただいま『ジョゼフ・バルサモ』推敲中。
誤訳や疑問点など多く、思った以上に手間取っています。
できるかぎり早く終わらせて、次の翻訳に進むつもりです。
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コメント

東様

よもや『ジョゼフ・バルサモ』推敲中だったとは、お疲れ様です~!!実は私、もうすべて印刷してしまいました(苦笑)!もし可能でしたら、修正された章を後で教えていただけると大変ありがたいです。すみませんです。お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。もう独自に登場人物一覧や各章見出し一覧なども作り、ファイリング完了&友人に貸出可能状態になっております(苦笑)。
【2012/09/09 18:04】 URL | マトリョーシカ #-[ 編集]
> 実は私、もうすべて印刷してしまいました

 それは何だか申し訳ないことをしてしまいました。。。
とはいえそこまでしていただけるとは、翻訳した甲斐があるというもので、感無量です。

 推敲については、ただいま序章一章から順番に見て行っているところです。

 漢字や固有名詞の表記を統一・訂正、表現・言い回しを改めているほか、誤訳を見つけしだい適宜訂正しています。


以下、誤訳訂正部分を書き留めておきます。


序之一

今もここに暮らす人々の中には、或いは今から語り始める物語を、かつて父や祖父に聞かせているのを耳にしたこともあるであろう。
 ↓
今もここに暮らす人々の中には、或いは今からお話しする物語を、かつて父や祖父に話して欲しいとねだったこともあろう。


序之二

「一つの神を信じる、ただの先駆者。スウェーデン支部の代表。~」
 ↓
「神様気取りのただの予言者。スウェーデン支部の代表。~」


第一章

五十年前にポーランドのスタニスワフ王がフランスとの連絡を容易にしようとモーゼル川に橋を架けて以来、車と名のつくものが渡ったためしはなかった。
 ↓
五十年前にポーランドのスタニスワフ王がフランスとの連絡を容易にしようとモーゼル川に橋を架けて以来、このような馬車が橋を渡ったことなどついぞなかった。


事実、遊び半分の子どもや口さがない年寄りでなければ、この記念すべき車が通りすぎるのを見て驚いて立ち止まったことだろう。
 ↓
というわけで、やんちゃ盛りの子供や口さがない年寄りでなくとも、この驚くべき車が通り過ぎるのを見れば驚いて立ち止まったことだろう。


御者はたいていの言葉なら理解できた。旅人たちにはよく知られている通りこの民族お気に入りの、あの金属的な響きが含まれた言葉であれば。というわけで二人の新しい御者は出来うる限りの速度を出そうとした。その結果――といっても、それなりの速度で一戦交えることにしぶしぶ従った馬の脚力というよりは、御者の腕力のたまものなのだが――時速二マイル半から三マイル出すことができたのである。
 ↓
御者はたいていの言語を理解できる。或る金属的な響きの言葉が添えてあれば。御者といった手合いは――旅人なら先刻ご承知の通り――その金属音が大好きなのである。故に二人の新しい御者は、全速力で馬車を走らせる為に出来る限りのことをした。これは馬の脚力というよりは御者の腕力に拠るところが大きいのだが、渋々ながら適切な速度に落としてトロットにしようと決めたのは、一時間で二里半か三里進んだことが明らかになってからのことだった。


第二章

こうした態度にしろ、こうした言動にしろ、皺一つ動かさず、目と口だけに命が宿っているような顔にしろ、読者諸兄には馴染みがないかもしれぬが、件の男にとってはいつものことであるらしく、老人の周囲を一瞥すらしなかった。しかしながらこの馬車の内装には見るべき価値が充分にある。
 ↓
斯かる態度にしろ、斯かる言動にしろ、皺一つ動かさず目と口だけに命が宿っているような顔にしろ、読者諸兄には異様に映るかもしれぬこうした一切合切も、件の男にとっては珍しくもないらしく、周りに目をくれもしなかったが、馬車のこの部分の内装に見るべき価値がないわけでは断じてない。


三つの壁(muraille)――話を戻そう。老人は馬車の外枠(paroi)をそう呼んでいた――壁の三面は棚で占められており、その棚も多くの本で埋められている。壁に囲まれた安楽椅子は、この不思議な老人の専用席であり、常に彼のために空けられていた。本棚の上には数多くのフラスコ、広口瓶、缶の詰まった木箱が並べられており、その様子はまるで船内に食器が並べられているようである。老人は一人で作業するのに慣れているらしく、椅子で移動しながら棚や木箱の中身に手を伸ばすことが出来るようになっており、椅子脇のレバーを上げ下げして上下に移動することも出来た。
 ↓
三つの大壁――前章でご存じの通り、老人は馬車の仕切壁をそう呼んでいた――壁の三面は棚で占められており、その棚も多くの本で埋められている。壁に囲まれた肘掛椅子は老人専用に空けられていたが、およそ不釣り合いなほど平凡なものであった。本や棚の上にはフラスコ、広口壜、缶の詰まった木箱を幾つも置けるようになっていた。船で食器やガラス器を置いておくような具合である。老人は一人で作業するのに慣れているらしく、棚や木箱まで車輪付きの椅子で移動することも出来たし、目的の場所まで来れば、椅子の脇にあるレバーを使って高さを変え、自分で動かすことも出来た。


部屋――とこの車内も呼ぶことにするが、部屋は長さ八ピエ、幅六ピエ、高さ六ピエある。扉の正面はフラスコや蒸留器で埋まっていたものの、乗り降りのために羽目板四半分だけ空いており、ほかに庇と鞴と鉄格子の付いた小さな竈もあった。坩堝を熱したり調合薬を沸騰させたりする時に用いられた。これは管に流れ込むようになっており、すでに書いたように屋根付近から怪しき煙となって外に漏れ、全国各地の老若男女が興味津々に口の端に上らせることになる。
 ↓
部屋――とこの車内も呼ぶことにするが、部屋は長さ八ピエ、幅六ピエ、高さ六ピエある。扉の正面、フラスコと蒸留器の向こう、出入りの為に空けられている四番目の羽目板の近くには、庇と鞴と鉄格子のついた小さな竈が取りつけられていた。今しもこの竈で坩堝が熱せられ調剤が沸き立ち、それが煙突に流れ込んで、前述の通り屋根の辺りから外に洩れ出し、その怪しげな煙を見た全国各地の老若男女が目を見張ってあれは何だと口々に囃し立てていたのである。


男が車内に入った時、老人は驚くほど素早く椅子を転がして竈に近づき、慎重がうえにも慎重に合薬の灰汁を掬い出したところだった。
 ↓
男が室内に入った時には、老人は驚くほど器用に素早く椅子を動かして竈に近づき、恭しいほどの注意を払って調合薬から灰汁をすくい始めたところであった。


「心配じゃよ。あの畜生めが。何がだと言うのか?」
 ↓
「怖がりの畜生めが。どうしたかと言うのじゃろう?」


「~ その代わり、煙突には笠を、馬車には案内人をつけてくれ。」
 ↓
「~ その代わり、煙突には笠を、馬車には伝導体をつけてくれ。」


第三章

湖沼にたなびく靄の如き軽い言葉と共に、女とジェリドは走り去り姿を消した。
 ↓
女はそう言い残すや、湖沼にたなびく靄の如く軽やかに、全力で駆けるジェリドに乗って走り去り、姿を消した。


 誤訳が多くて、ほんとうに申し訳ないです。。。
 これからも訂正しだい順次書き込んでゆく予定です。
【2012/09/13 00:45】 URL | 東 照《あずま・てる》 #-[ 編集]
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東 照《あずま・てる》(wilderたむ改め)
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